救急医のワーク・ライフ・バランスを考える
日本救急医学会 男女共同参画推進特別委員会とは?
2013年当時、日本救急医学会の女性医師会員数は20年前と比較して、若干増加しているものの男女の比率に変化なく、評議員は4名しかいない状態でした。
そのため女性救急医を幅広く確保し、また救急医として継続させることを目的として、2013年5月14日「救急医療における女性医師参画推進プロジェクト検討会」として発足しました。
女性医師の救急医療への参画を促すために、女性特有の環境や労働条件をふまえた様々な取組を行っていくことを活動内容とし、これを永く継続していくため、2014年2月19日、本学会に「女性医師参画推進特別委員会」を設置することが理事会で承認されました。
委員会での議論を進める中で、女性医師の就労問題は男性医師の働き方にも影響すること、女性医師に限らず男性医師でも結婚や子供の誕生または加齢などで救急医を続けることに悩みを抱える場合もあることに思い至り、2015年2月23日「男女共同参画推進特別委員会」に名称変更し現在に至ります。
目的:
「救急医療における女性医師参画推進プロジェクト検討会」発足時は、女性救急医を幅広く確保し、また救急医として継続させることを目的としており、女性医師の救急医療への参画を促すために、女性特有の環境や労働条件をふまえた様々な取組を行っていました。
現在は、男性、女性に関わらず、すべての日本救急医学会の医師会員に対し、生涯救急医を続けられるように、ワークライフバランスを意識した働き方の提言や、労働環境改善の提言、キャリアパスに関する提言をするなど、学会として積極的に支援することを目的としています。
活動内容:
各活動内容決定の経緯:
委員会の中で、以下のような問題や疑問が挙げられました。
- 若手女性救急医にとって、将来の設計を行う上でロールモデルがない。
- 女性救急医が進路や労働環境などについて相談できる場が日本救急医学会内にない。
- 各施設のトップ(大半は男性医師)が女性救急医の参画をどう考えているのか?救急医学会に所属している女性救急医の意見は?
これらのことを踏まえ、「女性救急医師ラウンジ」を開設したり、女性医師や若手医師、救急科専門医指定施設の救急部門長などにアンケート調査を行い、その結果をもとに2014年の第42回日本救急医学会総会から毎年、委員会企画のセッションを行っています。
以下に各活動内容の詳細を紹介します。
1.“男性も入れる” 女性救急医師ラウンジ
a. 女性救急医のロールモデルの提示
女性救急医有志が作成した自分や自施設の仕事の状況や体験などのスライドを、ラウンジ内に用意したパソコン上に掲示し、来場者が自由に閲覧できるようにしています。また、中央に設置したスクリーンに、すべてのスライドをスライドショーで掲示しています。
b. 救急医としてのキャリア継続についての相談
日本救急医学会男女共同参画推進特別委員会の担当委員が来場者の相談に個別に対応しています。第42回日本救急医学会総会では、「行岡代表理事と話そう!」と称して、男女共同参画を含めた救急医学会の取り組みなどを代表理事と直接話せる機会を設けました。また第45回日本救急医学会総会では、「専門医制度(取得・更新)ご相談窓口」を開設しました。
c. 子育てを経験した救急医のロールモデルの提示
第43回日本救急医学会総会より、ラウンジでお茶を飲みながら、子育てを体験した医師の体験談を聞き、その後直接話し合える企画、「Tea time talk」が加わりました。
また、第42回日本救急医学会総会より、男性も入りやすいようにするため、「“男性も入れる”女性救急医師ラウンジ」と名称を変更しました。
#第41回 総会 |
女性医師ラウンジ |
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#第42回 総会 |
The 2nd “男性も入れる” |
#第43回 総会 |
The 3rd “男性も入れる” 「行岡代表理事と話そう!」 |
#第44回 総会 |
The 4th “男性も入れる” 「Tea time talk 1」 「Tea time talk 2」 |
#第45回 総会 |
The 5th Verbena Lounge(バーベナ ラウンジ) ~働き方イノベーションの語り場~ |
#第46回 総会 |
Th 6th “男性も入れる”女性救急医師ラウンジ 「mini講演」 演者:伊藤 香 |
#第47回 総会 |
Th 6th “男性も入れる”女性救急医師ラウンジ 「mini講演」 演者:角 由佳、矢島 つかさ、伊藤 香 |
2.日本救急医学会総会での委員会企画のセッション
こちらのページをご覧ください:これまで行われた日本救急医学会総会での委員会企画
3.これまでのアンケート調査
#2013年 |
女性救急医に対するアンケート調査(詳細) |
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#2015年 |
若手医師に対するアンケート調査(詳細) |
#2017年 |
救急科専門医指定施設 救急部門長に対するアンケート調査 |