15. 可能性に満ち溢れた学問=救急医療
救急医療。新しい学問であるこの領域は、常に可能性に満ち溢れています。
ARDS患者に対する人工呼吸器管理の限界と経皮的膜型人工肺(ECMO)による治療の適応については明確な基準はなく、今後の研究課題です。
さらには外傷における研究課題をみてみても、重症外傷における輸血の開始基準やその輸血法の研究など、臨床上の大きなトピックです。
私も救急医療に携わる身として、臨床と並行して外傷性出血の重症度判定についての研究活動を行っています。外傷における正確な出血重症度判定は、重症度に応じた適切な治療選択に有益な情報を与えるため、今後の外傷診療の発展の基盤となりうる研究課題のひとつです。
救急医療の臨床に直結するこのような研究は、明日の医療を変える最前線の研究であり、魅力的です。新しい学問は、時に未熟なものに見えるかもしれません。しかし発展性という観点でこの救急医療を見れば、これほど輝かしい領域はありません。
救急医療を志す君へ。
可能性に満ち溢れる救急医療の現場へ、ようこそ。
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