八戸市立市民病院 救命救急センター 十倉 知久
0年
自治医科大学医学部卒業
大学時代はサッカー部に所属。恥ずかしながらあまり勉強はせず成績も良くありませんでしたが、彼女(現在の妻)に叱咤激励を受けて無事国家試験に合格しました。地域医療の教育を受けたので、それ以外の目標はありませんでした。
1年
青森県立中央病院初期研修医
結婚
第1子
誕生
すぐに結婚して翌年、長男が生まれ父親になりました。新臨床研修制度発足前でしたが、スーパーローテート方式(総合診療方式)で研修。研修医として一番活躍ができる当直が大好きで、何とかお願いして当直の回数を増やしてもらいました。
3年
国保おいらせ病院 内科
第2子
誕生
はじめて地域の病院で勤務。約60床の病院で総合内科医として慢性疾患を中心とした外来診療、上部・下部消化管内視鏡検査、訪問診療などに加え、救急車搬送台数が年間1000件前後と病院の規模にしては多く、救急医療に興味を持ちはじめた時期でした。また、次男も生まれ責任感がより強くなりました。
6年
八戸市立市民病院外科
出身大学の卒後教育のひとつに、1年間専門科で研修ができる制度がありました。救急医になることを目標として、特に外傷に興味があり外科医になることを決めました。定時手術、緊急手術も含め幅広く経験させて頂くことができました。元気に入院してきた患者さんを元気に退院させる難しさなど、技術だけではなく判断力や術後合併症の対応などの重要性を学び経験すると同時に外科の怖さも痛感しました。
7年
国保大間病院 外科・内科
マグロで有名な本州最北端の大間病院で勤務。50km先に2次救急病院が一つしかない本当のへき地で、重症度に関わらず医療圏の救急車はすべて搬送されてきました。約60床の病院で、前述の総合内科医としての業務、維持透析管理に加え外科医として週1回程度の全身麻酔手術も行いました。医師1名、ベテラン看護師1名で行う当直では、限られた医療資源で様々な急患に対応することで、診断力や判断力が身に付きました。
医師として最も度胸と実力がついたと感じた2年間です。
9年
青森県立中央病院外科
「外科医」として勤務。症例が豊富な病院で、厳しくも愛情のある指導医に恵まれ、上部消化管、下部消化管、肝胆膵領域の幅広い定時手術や緊急手術に加え、救急医・外傷外科医が不在であった時期もあり外傷手術も行いました。外傷外科に関しては、ATOMやSSTTの受講などを通して主に独学で学びました。
卒後14年目に外科専門医を取得。出来る手術も増えて外科の魅力に憑りつかれていきました。
17~20年
青森市民病院、青森厚生病院に勤務
縁があり青森市民病院、青森厚生病院に勤務。
卒後17年目に消化器外科専門医を取得。外科医として技術的にも自信がついた時期です。子供が順調に成長していく姿を見て、このまま落ち着いて外科医として医師人生を終えるか、初心にかえり救急医を目指すか悩みました。
21年
八戸市立市民病院救命救急センター(現職)
家族の理解もあり、単身赴任で救急医になることを決意。しかし、勤務直前に頸椎症性脊髄症になり人生初の手術を経験。両側上肢がMMT3の状態が1か月続き、「どうやって生きていくか」、「どうやって家族を養っていくか」と心底悩みました。4か月休職しましたが、幸いに仕事ができるまで回復。体のことは考えず仕事優先でやってきましたが180度考え方が変わり、やりたい仕事をやりつつ自分の体調や家族を優先すると決めました。
23年
救急科専門医、Acute Care Surgery認定外科医取得
47歳にしてようやく「救急医」になりました。Decision making、病院前診療、集中治療などまだまだ勉強するべきことが多いと感じていますが、地域で経験したことや外科医としての経験は技術面以外にも確実に生かされていると実感しています。
から
これからのプラン
やりたいことができる素晴らしい環境にいます。外傷外科医として研鑽を積みながら、自分の特技であるAcute Care Surgeryの普及、若手医師への指導を行いながら救命率の向上につなげたいと考えています。
救急医としては、研修医教育や救急の魅力を若手医師に伝えることを行いながら地域医療に貢献していきたいと考えております。
また、長年密かに温めていた大学院入学の準備を進めております。
先生の「キャリアプラン」をお寄せください
内容のアップデートもお待ちしています!
先生がどういった経緯を経て救急医という職業を選ばれたのかを
熱いメッセージとともに寄せていただければと思います。
こちらの「キャリアプラン」アンケートフォームよりご投稿ください。
さらに、男女問わず結婚や出産、育児という家庭人としての経験と仕事を
どのようにバランスよくこなしてきたのかなどの体験談も併記いただける方は
こちらの「キャリアプラン+ライフイベント」アンケートフォームよりご投稿ください。
また、内容の修正などをご希望の際はこちらのお問い合わせフォームよりご連絡ください。
先生方の熱き想い、お待ちしております!
◁過去の記事: 大阪公立大学医学部付属病院 救命救急センター 日村 帆志
▷新しい記事: 東北大学病院 高度救命救急センター 谷河 篤