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【報告】第5回全国医学生BLS選手権大会決勝大会 総合優勝校のご紹介・救急科専門医指定施設見学のご報告

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2019年11月2日(土)、東邦大学大森キャンパスで開催された第5回全国医学生BLS選手権大会決勝大会は、島根大学(チーム名:SCOP)が見事、総合優勝の栄冠を勝ち取りました。

今回、総合優勝された島根大学チームの皆様からBLS選手権大会の感想、そして副賞である救急科専門医指定施設見学のご報告をいただきましたので、ご紹介いたします。

第5回全国医学生BLS選手権大会決勝大会
総合優勝校 : 島根大学(チーム名:SCOP)

チームメンバー(敬称略):足立 元、白鳥 博之、立岡 慶祐、滝沢 章、根本 卓也

【総合優勝にあたっての感想】

私達は、BLS選手権大会で優勝できたことを大変嬉しく光栄に思っています。島根大学SCOPは「BLS選手権への参加は1回」という伝統があります。そのため、メンバー構成も雰囲気もその年によって変わります。

5名全員が一度も大会に出たことが無いので優勝に対する意気込みも団結力も練習当初はバラバラでした。それどころか、大会出場の5名が揃わなかったため、メンバーの中には、元々出場する予定ではないメンバーもおり、競技自体も胸骨圧迫と換気をしてAEDが使えればいいかとも思っていました。

恥ずかしながら大会自体を甘く思っていたのも正直なところです。

しかし、BLSに必要なスキルは体の無駄な力を除き、一定のリズムで質の良い胸骨圧迫をいかに行うか、毎回ほぼ一定の量の換気を行うにはどのようにするべきか等、奥が深いものだと実感しました。

地方大会、決勝大会に向けて練習を重ねながら段々とメンバー内に団結力も生まれてきました。

練習に熱中して連日夜遅くまで残ってするようになりました。みんなでどうすれば改善できるのかを話し合い、時にはガイドラインを読み漁り、工夫して取り組みました。今振り返ると非常に貴重で有意義な時間でした。

さらに先輩方からの熱心なご指導や島根大学のスキルアップセンターのスタッフや先生方からの精神的なサポートや後押しなども受けました。

特に大会前、緊張している私達に対し「競技に勝つこと以上に、目の前の患者さんを救う気持ちで臨みなさい」というアドバイスは、今後医療人になりチームの一員として患者さんに向き合う姿勢を教えていただいたと思っています。

実は決勝当日、今までやってきた練習は一体何だったんだろうと思うほど、実力を100%出すことができない部門がありました。そのため、メンバー内で空気が沈みかけたのですが、一緒に練習してきたお陰でお互いを励まし合う声掛けができ、再びチーム一丸となって切り替えることができたからこそ他の部門で挽回でき、総合優勝をいただけたのだと思っています。

地方大会では2位だっただけに、5人が一丸となり「決勝大会で優勝する」という目標を最後に達成できてとても嬉しかったです。この優勝はメンバーにとってかけがえのない財産になりました。

この選手権を通じて他大学と交流を持ち研鑽できたこと、一生懸命仲間と共に目標に向かって一つのことに取り組めたこの経験を糧に今後も努力していきたいと思います。

今後は新BLSチームに島根大学の一次救命処置のマインドを伝えると同時に地域への普及活動もSCOPメンバー中心に取り組みたいです。

2020年6月初旬にQCPRを用いたBLSの練習試合とワークショップを島根大学で企画中です。全国のみんなとより質の高いCPRを考えることができたらと思います。

最後に日本救急医学会 学生・研修医部会運用特別委員会の皆様、BLS選手権大会の地方大会・決勝大会の運営にあたってくださった先生方やSMAQの学生の皆様、本当にありがとうございました。

【救急科専門医指定施設見学の感想】

見学施設・病院名/科(部):
 ・JA長野厚生連佐久総合病院佐久医療センター(救命救急センター)
 ・佐久総合病院本院(総合診療科)

見学日:2020年2月13日(木)、14日(金)

私達は2日間かけて、佐久医療センターと佐久総合病院を見学させていただきました。

佐久医療センターは2014年3月1日に佐久総合病院の分割再構築事業によって設立された高度救急医療・専門医療に特化した新しい病院で、施設の外観もキレイで外構にはジョギングコースもあり、公園のようになっていました。

病院内もカフェのような店もあり、コンビニでは地場野菜が売られて道の駅のようで、ホールのような部屋で音楽コンサートも開いているという話を聞き、病院というよりは、市民に開かれた公共施設として考えて設計されているように感じました。

病院内では、主に救命救急センターやドクターヘリを見学しました。

特にドクターヘリでは、常駐されている航空会社の方から普段は聞くことができないヘリの運用について、貴重なお話を伺うことができました。同センターではヘリの格納庫が建物屋上にあり、整備・点検なども院内で行うことが出来、出動への対応もスムーズに行えるとのことでした。

ウィンタースポーツや山岳事故などの患者受け入れも東信地域の特性だと感じました。実際にドクターヘリの中を見学させて頂き、フライトドクターがヘリの中でどのような行動を行うのか等を教えていただきました。

センター内では入院時から退院計画の策定が始まるなど、急性期から予後を見通した一貫したケアを行なっている病院であり地域に根ざしている病院という印象を持ちました。

また、佐久総合病院本院では佐久総合病院グループは東信地域の中核で、地域の診療所にも医師を病院から派遣し、電子カルテを共有しグループ全体で患者さんを診ていることがわかりました。救急のみではなく地域の病院として総合的な医療の提供のあり方を見せていただき、今後私達が医学を学ぶ上で大変勉強になりました。

最後に5名全員で病院見学をさせていただける機会を与えていただいた、日本救急医学会の諸先生方やお忙しい中、時間を割いてくださった佐久医療センター救命救急センター長の岡田邦彦先生を含めた院内スタッフの方々、本院のスタッフや先生方、そして日程調整や2日間、医学生担当を行ってくださった広報課の新海茉優様に心より御礼申し上げます。

佐久総合病院を見学された島根大学(SCOP)チーム
佐久総合病院を見学された島根大学(SCOP)チーム

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