本セッションは日本救急医学会の学生・研修医部会設置運用検討特別委員会の企画の1つとして開催されました。学生から25演題、研修医から168演題と多数の応募を頂き、口演、ポスターでご発表いただきました。各発表はどれも学生・研修医とは思えないような高いレベルの、素晴らしい発表でしたが、厳正なる審査を経て優秀演題を選出いたしました。

【研修医セッション　優秀演題】

• 乳酸値は病院前診療において外傷患者の大量輸血の必要性を正確に予測する因子となりうる
  岡田　澪 先生　　前橋赤十字病院　教育研修推進室

【研修医セッション　口演】

• Ｍ＆Ｍカンファランスから見えてきた初期臨床研修医が身につけるべき急変対応スキルについての検討
  松永　俊太郎 先生　　国立病院機構別府医療センター　救急科

【学生セッション　口演】

• くも膜下出血における予後予測因子としてのStress Indexの有用性
  野城　美貴 先生　　日本医科大学　医学部　医学科

【研修医セッション　ポスター】　（セッション番号順）

• 手術室へ直入し救命し得た高エネルギー外傷の一例
  秋本　雄祐 先生　　徳島県立中央病院　医学教育センター
• 声帯筋内血腫を伴った頚部鈍的外傷の1例
  箕輪　和陽 先生　　国立病院機構災害医療センター
• 外傷性肋骨骨折に対し超音波ガイド下Retrolaminar blockにて疼痛管理を行った1症例
  橋本　卓磨 先生　　雪の聖母会　聖マリア病院　麻酔科
• 腹部刺創に対し診断的腹腔鏡検査を施行し開腹術を回避できた一例
  青木　秀憲 先生　　医療法人倚山会　田岡病院　救急科
• 急性心筋梗塞による心破裂で心停止するも救急外来にて胸骨正中切開を施行し救命した1例
  鎌田　千奈美 先生　　市立函館病院　救命救急センター
• ERでくも膜下出血を伴う脳梗塞と診断された中大脳動脈解離の１症例
  友藤　嘉彦 先生　　横浜労災病院　救急科
• たこつぼ型心筋症が疑われ改善直後に脳梗塞を発症した2症例の検討
  遠藤　友理 先生　　東京大学医学部附属病院　救急科　（救命救急センター・ER、集中治療部）
• 外傷契機の低髄圧症候群に慢性硬膜下血腫を合併した一例
  寺尾　和一 先生　　市立四日市病院　救命救急センター
• 胸部打撲を契機に発見した急性心筋梗塞の一例
  森　逸 先生　　東住吉森本病院　救急・総合診療センター
• 孤立性総肝動脈解離の一例
  原田　匠 先生　　横須賀市立うわまち病院　救命救急センター　救急総合診療部
• 低体温、循環不全で救急搬送された甲状腺機能低下症の１例
  井戸田　健 先生　　新久喜総合病院
• crowned dens症候群に頚椎周囲膿瘍を合併した１例
  大野　健翔 先生　　国立病院機構熊本医療センター　救命救急・集中治療部
• 破傷風3期に対し芍薬甘草湯を併用することで人工呼吸器管理を回避できた一例
  柳沼　真維 先生　　福島県立医科大学附属病院高度救命救急センター
• 二次救急外来へ搬入された気腫性膀胱炎による敗血症性ショックの一例
  青木　崇吾 先生　　昭和大学病院救命救急センター
• 敗血症・DICで発症したCapnocytophaga canimorsus感染症の一例
  松本　紗矢香 先生　　大阪警察病院　臨床研修医指導センター
• 動脈塞栓術を施行した胸部打撲後の遅発性背部巨大血腫
  大政　皓聖 先生　　石川県立中央病院
• 神経線維腫症１型における動脈瘤形成及び破裂した症例の検討
  西川　緑 先生　　福井大学医学部附属病院
• 透析患者へのジスチグミン臭化物投与によるコリン作動性クリーゼの1例
  阿部　遼 先生　　静岡済生会総合病院　救命救急センター
• エチレングリコール中毒の1例
  津村　諄一 先生　　名寄市立総合病院
• 急激な循環変動とたこつぼ型心筋症を生じたフグ中毒の1例
  木村　萌絵 先生　　唐津赤十字病院　救急科
• 敗血症に伴う二次性の血球貪食症候群(HPS)が疑われた一例
  幡　輝世 先生　　京都大学医学部附属病院
• イノシシ肉摂取後のアナフィラキシーショックにより頸髄損傷をきたした1例
  和田　千香子 先生　　長崎大学病院　高度救命救急センター

【学生セッション　ポスター】　（セッション番号順）

• 劇的な経過をたどった脾臓低形成に伴う劇症型肺炎球菌感染症の一例
  滝川　陽希 先生　　自治医科大学附属病院　救命救急センター
• トラベルミン過量内服によりQT延長をきたした1例
  出光　玲菜 先生　　長崎大学病院　高度救命救急センター
• 絶食による腸管粘膜バリア変化の超微形態学的考察
  若山　佑豪 先生　　岐阜大学大学院医学系研究科　救急・災害医学分野

本委員会では、学生研修医部会の立ち上げに向けて自発的な活動が動き出しました。今後は各大学の医学部生、各病院の研修医が連携しながら救急医学の魅力を発信していくことでしょう。本委員会はより多くの医学生、研修医が救急医学の道を志して頂けるように今後も活動を続けて参ります。

学生・研修医部会設置運用特別委員会　委員　　野村智久（順天堂大学練馬病院）