9. 「人を死なせない知識と技術を身につけたい」3年目以降の道筋がはっきりと見えた
私には救急医になろうとした、はっきりとした瞬間がありました。
医師として3か月目、胸部外科のラウンド中に看護師より、術後の患者さんの状態が悪いので見に来てほしいと依頼がありました。
見に行くと、明らかに苦しそうな呼吸をしていました。すぐに上級医と治療を進めましたが、病態は悪化し、心肺停止となりました。初の急変で自分の心臓の音がはっきり聞こえ、体が動かない状況でした。
そこに救急医が助けに来てくれて、いったん蘇生しICUへ入室しましたが、後に永眠されました。あまりのショックにその時は本気で医師を辞めようと思いました。
半年後に救命救急センターの研修が始まり、九死に一生を得て、歩いて帰る症例を経験しました。ここで人を死なせない知識と技術を身につけたいと、3年目以降の道筋がはっきりと見えました。
救急医になったおかげで死に直面するような緊迫した場面でも常に冷静に行動することができるようになりました。救急医として生きることは、医師として人として人生の財産になると思います。
現在、私は大学の近くの2次救急病院で働き、医師としての第2ステージを生きています。
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